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島根県技術士会

研修委員会 事業報告

2014-09-05

≪研修委員会 事業報告≫

大会実行副委員長・研修委員長 松原 利直(島根県技術士会 副会長)

1.はじめに

第35回技術士全国大会(島根)で研修委員会が担当した行事は、(1)ウエルカムパーティー、(2)分科会、(3)記念講演、(4)テクニカルツアーである。これらの行事は、大会の全日程(平成20 年10 月17 日~20 日)に及ぶもので、研修委員会の準備は平成20 年4 月30 日の会議を皮切りに、合計7回の研修委員会の合同会議を行なった。研修委員会の行事はそれぞれ関連が殆ど無いものであったが、委員の皆さんが担当の枠を超えて協力して、無事に大会を終了することが出来た。以下に研修委員会の行事の概要と、準備及び当日の実施状況について、
反省を含めてその内容を報告する。

2.ウェルカムパーティー

【概要】
・日時:10 月17 日(金)18:00~20:00
・会場:松江フォーゲル・パーク(温室)
・参加人数:268 名(防災会議パネリスト招待4名)
・島根総括委員:永田和之、大坂理
・総合司会:松崎靖彦
・動員スタッフ14 名
・ アトラクション:地元民謡と演芸(安来節保存会松江支部)
コーラス(松江市民合唱団)
・運行バス:ホテル一畑→松江フォーゲル・パークの移動
バス6台(市営バス、JRバス)
【準備状況】
ウエルカムパーティーは、会場の松江フォーゲル・パークの運営管理者(有)カモと食事担当の(株)エムズコレクション、そしてイベント支援の(株)ウエブプラン、旅行代理店()JTBがそれぞれ担当する。そのため研修委員会と関係者による合同会議を、会場となる「松江フォーゲルパーク」
において2度実施した。会議では、会場の配置計画、入場料・食費と参加費の調整、参加者の会場への運搬方法などについて議論した。当初は200 人程度の参加者で計画していたが、実際には300 名近い参加者となり、テーブル配置計画や運行バス、動員スタッフの計画を大幅に変更した。また、ホテル一畑から松江フォーゲル・パークの会場まで移動はバス輸送したが、松江市営バスの運行が決まらず、渡部会長が大会直前まで調整された。
【実施状況】
日本最大級の温室を有する鳥と花の楽園「松江フォーゲル・パーク」で行なったウエルカムパーティーは、ベゴニアなど満開の花のもとでの宴となり、国際文化観光都市松江市で実施する全国大会に相応しいオープニングセレモニーとなった。大会のテーマが「神話の國で
語る未来技術の創造」ということで全体的に神秘的で落着いた雰囲気の中、ウエルカムパーティーは一つのアクセントとして文字通り「大会に花を添えるイベント」となった。そして、アトラクションの安来節保存会松江支部による地元民謡とドジョウ掬い、市民合唱団によるコーラス、そして司会の松崎靖彦氏によるバリトンの声が会場に響き渡り、パーティーを更に格調高くした。心配したホテル一畑から会場への輸送は、バスの中でトイレ騒ぎがあったくらいで大きなトラブルもなく、宍道湖名物の美しい夕日を車窓から眺めながら無事移動できた。

3.分科会

【概要】
・日時:10 月18 日(土) 9:30~15:30
・会場:第一、第二分科会 ホテル白鳥
第三、第四分科会 ホテル一畑
・参加人数
第一分科会227 名、第二分科会246 名
第三分科会263 名、第四分科会227 名
・島根総括委員:松浦寛司、林 秀樹
・動員スタッフ 17 名
【準備状況】
研修委員会が担当する行事のうち、ウエルカムパーティー、記念講演、テクニカルツアーについては、ほぼ島根県技術士会の主導で行なうことができた。しかし、分科会は支部との連携により基調講演者と発表者の調整、会場の設営計画を進めなくてはならず、島根総括委員の松浦寛司さんが支部との連携により様々な調整を行いながら準備を進めた。大会誌用原稿の手配及び校正(原稿提出スケジュール)は以下のように行なわれた。
3/末 基調講演者、発表者に概要とテーマの提出を求める
5/初 概要とテーマの提出(支部でチェック)
6/初 支部長名で正式原稿依頼
8/末 原稿回収、直ちに査読作業、本人校正⇒主査・副主査校正、9/初 最終チェック
9/中 大会資料集の印刷、PPT資料を当日の配布資料として印刷

【実施状況】
各分科会の内容は、分科会報告に詳述されているので、ここでは簡単に概要を示す。前回の福井大会では、午前中に5分科会が5会場で同時に行なわれ、午後に分科会報告として総括報告が行なわれた。今回の島根大会では、より多くの参加者が2分科会に参加が出来るように、2会場で4分科会を午前と午後の2部形式で実施した。分科会の形式については、第一~三分科会は、基調講演(50 分)の後、講演3題(30 分×3)、座長総括(10分)とし、青年部の第四分科会は基調講演の後にパネルディスカッションを行なった。参加者人数がどちらかの会場に偏るのではないかと心配したが、4分科会にほぼ均等に分散した。分科会は、主査・副主査と講演者の協力によりほぼ予定時間通りに終了した。以下に、分科会の発表者と演題を示す。

表1.分科会の演題と発表者

-省略-

4.記念講演

【概要】
・ 日時:10 月18 日(土) 17:00~18:20
・ 会場:ホテル一畑 サンシャインホール
・ 参加人数:417 名
・ 島根総括委員:松原利直、福井一彦
・ 動員スタッフ 7 名
・ 講演:国選定保存技術保持者
日刀保(にっとうほ)たたら村下(むらげ)木原 明
・ 演題:「たたら製鉄の技と精神(こころ)」
<誠実は美鋼を生む>
・ 司会:武田志乃アナウサー

【準備状況】
大会テーマの「神話の國で語る未来技術の創造」は、古代文化発祥の地である「神話の国」出雲で行なわれる技術士全国大会である。島根県の奥出雲地方は、昔から良質の砂鉄が取れており、その砂鉄を利用して「たたら吹き」といわれる鉄づくりが盛んに行なわれていた。この「たたら吹き」から造られる日本刀の材料となる玉鋼(タマハガネ)は、「たたら吹き」でしか造ることのできない最高品質の鉄である。ところが、「たたら吹き」は戦後完全に途絶えて、日本刀作りに危機が訪れた。そこで、昭和52 年(財)日本美術刀剣保存協会による「たたら吹き」復活プロジェクトで、消えていたたたらの炎が復活された。その内容はNHK番組「プロジェクトX」でも紹介され、講演者の木原明さんは、そのプロジェクトに参加し、現在は村下職(ムラゲショク)として伝統技術の継承に務められている。先人の知恵と技術を学び大会テーマに相応しい講演と言う事で、日本で唯一日本刀の原料となる玉鋼を造る日刀保たたら村下の木原さんに講演をお願いした。木原さんは、平成19年の島根県技術士会の総会でも記念講演をしていただいた。
講演のスライドや講演資料集は、委員の福井一彦さん、安藤秀一さんと筆者が奥出雲町横田に数度お伺いするなど打合せを重ねてお手伝いして作成された。また、日立金属株式会社安来工場:佐藤光司さん、株式会社安来製作所:西坂正則さん及び安来和鋼博物館館長:八十致雄さんにはスライドや講演資料集について貴重なアドバイスを戴いた。記念講演に関連したパネル展示ブースには、和鋼博物館の「たたら製鉄」のパネルが展示された。
【実施状況】
記念講演の前に、「古代笛演奏~古代浪漫への誘い~」樋野達夫氏による古代笛の演奏があった。記念式典が行なわれたホテル一畑2F「平安の間」から1F「サンシャインホール」への移動で、会場はざわついていたが、武田志乃さんのアナウンスの後、樋野さん

の古代笛で会場が一気に静まった。武田さんのナレーションと山村賢治(会員)さん撮影の出雲平野の風景写真、安藤秀一さんのスライド操作、そして古代笛が見事にマッチしてタイトルの如く「古代浪漫への誘い」に、皆さ
んが誘われていた。
古代笛で酔いしれた中での、千年の歴史「たたら吹き」の技を現在に継承する国選定保存技術保持者の木原さんの講演は、大会テーマである「神話の国で語る未来技術の創造」に相応しい講演となった。講演は「たたら製鉄の技と精神(こころ)」と題して、ものづくりの技と心についてお話された。

講演では、現代科学をもっても解明されない「たたら吹き」の技術を先輩から受継ぎ、それを次世代の技術者の伝えていくたたら製鉄の技術の伝承が話された。マニュアルが全ての最近の科学技術とは違い、「たたら吹き」では
炎を見る、音を聴くなど研ぎ澄まされた「人間の感性」ともいえる観察力、判断力であり、それを支える強靭な精神力と鍛えられた体力が重要とのお話をいただいた。

大会参加者が当初予定より大幅に増えたことにより、記念式典の会場が変更になり、式典や記念講演、交流パーティのタイムスケジュールは非常にタイトであった。記念講演は、木原さんにお願いして全体時間を短縮して講演していただいた。

5.テクニカルツアー

【概要】
・日時:10 月19 日(日)~20 日(月)
・会場:石見銀山他
・参加人数:92 名
日帰り65 名、一泊二日27 名
・島根総括委員:原 裕二、小村 徹
・動員スタッフ:6名

(ツア-の行程)—-省略——

【準備状況】
ツアーのルートについては、島根県技術士会の研究部会で「石見銀山」を研究していたことから世界遺産に登録が決定される前から、「石見銀山」を案内することを早々に決めていた。しかし、世界遺産登録の事前調査を行なったイコモスの評価では、登録に対して厳しい報告があり世界遺産登録が危ぶまれた時期があった。ところが、平成19 年7 月に大逆転で登録されたことは、島根県技術士会にとっても全国大会を島根で行なうことに大きな力となった。
研究部会の報告でも石見銀山は解り難い世界遺産で、全国大会の限られた日程の中でどのように案内するかが大きな課題であった。平成19 年6 月には、支部委員(太田、乗安)と島根県技術士会の委員(原、小村、寺田、児島)による事前視察を行い詳細ルートの検
討を行なった。様々な議論と検討を重ねた結果、バスの中で石見銀山の概要をビデオで説明し、現地案内はガイドさんにお願いし、技術士会はスタッフとして班に分かれて随行して案内することになった。また、石見銀山以外の小豆原埋没林公園、ゴビウスの施設については学術員の専門家による説明をお願いした。

【実施状況】
ツアー参加者が、解り難い世界遺産石見銀山をどのように感じたかについては自信はないが、「石見銀山ガイドの会」の方の熱心な説明により大変有意義なツアーになったと思った。この
説明なくして、今回のツアーはありえなかったと感じた。ガイドの準備については森山昌幸(会員)さんのアドバイスをいただきながら、島根総括委員の原裕二さんが精力的に動いていて実現した。バスの中で、技術士会の活動と石見
銀山の紹介と考えていたが、バスガイドさんとビデオで時間が過ぎてあまり話せなかったの
が、反省点である。一方、島根総括委員の小村徹さんの「石見銀山とアーチ式石橋」と題した本州では珍しい羅漢寺のアーチ式石橋の説明は好評であった。
参加者の中には、90歳の車椅子の方や現地で車椅子が必要になる方など、色々アクシデントはあったが委員の福井一彦さん、松浦寛司さんが支援して無事終えることができた。
後日、当事者からお礼の電話が委員に届いている。翌日のツアーは、渡部会長と支部の植田事務局長にお任せした。

6.大会後記

3年前の理事の忘年会に、広島から牧山支部長、植田事務局長が来られ全国大会を島根で受けるよう要請された。その時は、坂田名誉理事も元気で、これは押し付けではなく島根県技術士会で判断して下さいとのことであった。その時、広島からわざわざお願いに来
られ「島根としては受けない訳にはいかない」との渡部会長の独り言を隣で聞い気がする。
個人的には、主催は中国・四国支部で、島根はお手伝いのつもりの軽い気分で、これが、今回の全国大会の始まりでした。島根県技術士会としては、2年前の平成18 年10 月に早々と準備委員会として組織化したものの、全国大会への気運はなかなか盛り上がらなかった。
渡部会長が先頭に立って引っ張っておられ、付いて行くのが精一杯の状態でした。1年前の福井大会には、渡部会長自らが運転される車に、会長のドジョウ掬いの道具と、自分も何かお手伝いをと思い石見神楽の道具を積んで、井上副会長と寺田事務局長と4人で福井まで行ったことが随分前のことのように感じる。
平成20 年1 月に実行委員会を立ち上げてスタートしたとき、渡部会長が作られた大会マニュアルは既に完成しており、このマニュアルに従えば明日にでも大会が実施できる内容でした。渡部会長の頭の中では、半年前から前日レベルまで来ていましたが、会員の皆様
はそのころが実質スタートだったと思います。しかし、それから総務、研修、編集、財務とそれぞれの委員会が活発に動き、メールでは激しいやり取りを交わしたり、参加者が増えすぎて会場が変更されるなど侃侃諤諤の議論もあった。その中で、印象的だったのは、渡部会長と太田事業委員長のメールのやり取りに牧山支部長が、「今の議論が後で役に立ちます。頑張ってください」の労い(ねぎらい)のメールがあった。そのようなことを経て、中四国支部、そして島根県技術士会、夫々の委員会が見事なまでに役割を果し、見事に「神話の国」のテーマでまとまった最高の全国大会と感じている。そして、全国から島根、松江に来られた方に、中国・四国支部、島根県技術士会、そして「神話の國」島根をアピール出来たと思う。皆様、大変ご苦労様でした。

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