2016年7月度 オモシロ技術塾
【日 時】 平成28年7月27日 19:00より
【場 所】 島根県技術士会事務所(松江市黒田町)
※事務所にはトイレがありませんのでご注意ください
【話題提供者】:井上祥一郎
(森林部門,環境部門,衛生工学部門,水産部門,上下水道部門,建設部門,農業部門,応用理学部門)
【タイトル】「技術士の父、土光敏夫氏が示した『トリウム溶融塩炉』を門外漢が中間報告」
【概 要】ウラン軽水炉だけが原子力発電炉ではなく、全く技術のコ
ンセプトが異なる「トリウム熔融塩炉」の存在を、日韓技術士会議を
期に知りました。
市民科学者として生きた高木仁三郎さんは、発電と同時に発生
するにプルトニウムの影響を最も危惧されていました。また、どのよ
うな技術についても、「本来的に備わった安全性-パッシブ・セーフ
ティー-によって暴走を止めるようなあり方が望ましいと書かれて
います。まして、事故が起これば大変な事態になるウラン軽水炉で
は特にそれが重要だと述べられています。
調べた限りでは、高木さんの指摘に適う原子炉がトリウム溶融塩
炉のように思えます。しかし、この炉については国家は予算を
付けないできています。
東京電力福島第一発電所が営業発電後直ぐに3.11の過酷事故が
起きていれば、(ウラン軽水炉)原発No!の声が上がったでしょう。
当時の稼働は4基に過ぎませんでしたから。
しかし、現実に50基を超えるウラン軽水炉と、発電の結果残った
使用済み核燃料が、リスクを抱えながら大量に保管されています。
今、この現実に向かって技術者が出すべき対案に関する話題
提供です。資料紹介に過ぎないことを予めお断りしておきます。
私は「原子力・放射線部門」の技術士ではなく門外漢です。
山陰ブックレット5「島根の原発・エネルギー問題を問い
なおす」(今井出版2016)が出ており、情報の共有の大切さが
述べられています。この情報の中に技術も入っている必要が
あると思い、今回、ウラン軽水炉とは異なる炉の情報を発信するこ
とも私のすべきことだと考えました。